賃貸物件の仲介手数料「無料」の仕組みを解説|お得かどうか確かめる方法

賃貸物件の仲介手数料「無料」の仕組みを解説

マンションやアパートの賃貸契約の際に、「仲介手数料」というものについて疑問を抱いたことはありませんか。

なんとなく仲介してもらった業者(=不動産会社)に支払う手数料だろうと理解はしているものの、正直詳しい内容はわからないという人も多いでしょう。また、仲介手数料が高いことに不満を感じたこともあるかもしれません。 そこで今回は、仲介手数料についての概要や、仲介手数料あり・なしそれぞれの物件のメリット・デメリットを解説していきます。

仲介手数料とは

仲介手数料とは、賃貸物件の契約をする際に、仲介業者となる不動産会社に対して支払うお金のことをいいます。認識としては、物件探しや契約のサポートをしてくれたことについてのお礼金のようなものにあたります。不動産会社の利用料、サービス料としてもとらえることができます。マンションやアパートの賃貸契約を結ぶ際には、初期費用の一つとしてこの仲介手数料が必要になる場合が多いです。

仲介手数料の上限額は決まっている

実は仲介手数料には、国土交通省の決まりで、上限が定められています。 仲介手数料の上限は、家賃1か月の金額の1.08倍に相当する金額です。つまり単純計算すると、家賃10万円の物件であれば、10万8,000円が仲介手数料の上限額であることがわかります。しかし、1.08倍の額はあくまで上限額なので、仲介手数料は、現在は家賃の0.5〜1倍が一般的な相場となっています。家賃10万円の物件なら、5万円~10万円が仲介手数料の相場ということです。

賃貸物件の仲介手数料「無料」が増えてきている

初期費用は敷金礼金などさまざまな費用がかかります。できれば仲介手数料も安く抑えたいところです。

近年は仲介手数料が無料の賃貸物件も増えてきているため、初期費用を節約したい人は仲介手数料無料の物件を探すのが良いでしょう。基本的に仲介手数料が必要な物件は多いですが、現在、賃貸物件全体の20%くらいは仲介手数料無料の物件となっています。 では、仲介手数料無料の物件はなぜ成り立つのでしょうか。そのからくりについては次項で解説していきます。

仲介手数料無料のからくりとは

不動産会社へのサービス利用料ともいえる仲介手数料が無料になるのはなぜなのでしょうか。その仕組みには、以下のポイントが関係してきます。

貸主が全額負担している

仲介手数料無料の物件は、一見すると不動産会社に利益が出ないように思われがちです。しかしそのようなことはありません。仲介手数料無料の物件は、本来は借主が負担すべき仲介手数料を、貸主、つまりは大家が負担している場合が多いです。 長く入居者がいない物件や、立地的にあまり人気の出ない物件などは、貸主にとって早く入居してほしい物件になります。貸主からしてみれば、仲介手数料を負担して損が出たとしても、なんとか入居してもらって家賃収入を生みたいところです。そんな物件は、仲介手数料無料物件として入居者の募集が出る傾向にあります。

不動産会社が所有している自社物件

不動産会社が自社物件として所有している物件のため、仲介手数料が無料になっているケースも考えられます。こちらも早く入居してもらった方が家賃収入につながるため、仲介手数料を無料にしているパターンです。そもそも物件の貸主は不動産会社ですから、仲介手数料を無料にしても入居者がいないよりは利益につながるということです。

貸主が高い広告料を支払っている

アクセスが悪い・騒音がひどいなどの悪条件が目立つ物件の場合、貸主はなんとか入居してもらうため、相場より高い広告費を払っている可能性があります。すると不動産会社としては、この広告費用で十分な利益になるため、仲介手数料無料でも成り立つ可能性が考えられます。

仲介手数料無料の賃貸物件のメリット・デメリット

では実際のところ、仲介手数料無料の賃貸物件にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。ここからは仲介手数料が無料になる際のメリットとデメリットについてそれぞれ整理してみましょう。

メリット

メリットとして大きいのは、仲介手数料がかからないため、やはり初期費用を抑えられるという点です。本来であれば負担しなければいけなかった仲介手数料分のお金を、家具・家電の購入費に当てることもできるでしょう。

デメリット

仲介手数料無料の物件は、他よりも初期費用が安く済むという点ではすぐにでも飛びついてしまいそうですが、以下のようなデメリットが伴うため注意も必要です。

  • 家賃や共益費が相場よりも高い
  • 敷金や礼金が相場よりも高い
  • 物件の状態が悪い
  • 通常かからない費用がかかる

まず、仲介手数料無料の物件を契約する際は、家賃、共益費、敷金、礼金の相場をよく確認しておきましょう。仲介手数料無料の物件は、基本的に大家が仲介手数料を負担している場合が多く、するとそこで損が出る分、大家はその他の費用を高めにする傾向があります。相場よりも高い家賃の物件を契約しては、初期費用を抑えても、結果として毎月の家賃でかなりの負担が出て損をしてしまいます。

また、「事務手数料」「〇〇設置費用」など、通常かからない費用が出る可能性もあるためこの点にも注意です。 さらに、物件の状態をよく確認することも大事です。仲介手数料無料の物件は、大家が手数料を負担してでも貸したい物件です。部屋の状態が悪いなどのデメリットが生まれる可能性があります。

仲介手数料ありのメリット・デメリット

では続いて、今度は仲介手数料ありの物件のメリット・デメリットについてそれぞれ整理してみましょう。 仲介手数料ありの物件といえば、初期費用が高いなどの印象は強いですが、メリットもたくさんあるものです。初期費用は確かに節約できればそれに越したことはありませんが、契約締結後に後悔しないためにも、まずは両方のメリット・デメリットをよく確認しておくことが大事です。

メリット

賃貸契約の際に仲介手数料を負担するのには、以下のようなメリットがあります 。

  • サービスの質が上がる
  • 手数料を払っている分、探す時に相談に乗ってもらいやすい
  • 管理が行き届いていることが多い

仲介手数料は、いわば不動産会社のサービス料にあたります。仲介手数料を支払っていれば、サービスが良くなる、担当者が親身に相談に乗ってくれるなどの恩恵に期待が持てるでしょう。 また、仲介手数料ありの物件は人気物件であることも多いため、部屋の管理も徹底されています。悪条件で、管理の行き届いていない物件に当たってしまうことはないでしょう。仲介手数料ありの物件は、費用がかさむ分、安心度が上がるのです。

デメリット

デメリットとなるのは、やはり初期費用の負担が増えることです。仲介手数料は0.5~1か月分の家賃と同等の金額なので、決して安いとはいえない金額の負担が出てしまうのは確かです。

仲介手数料以外にもお得な契約条件はある

初期費用を抑えるなら、仲介手数料無料の物件以外にもおすすめの条件はあります。例えば以下のようなケースの物件です。

  • フリーレント
  • 敷金礼金なしの物件

フリーレントは家賃が1か月ほど無料になる物件で、物件によっては数か月~半年無料のケースもあります。敷金礼金なしの物件も、初期費用を大幅に抑えることができるため選択肢の一つには入れておきましょう。 ただ、どちらも家賃そのものが高かったり、別に特殊な費用が発生したりといったデメリットがある場合もあります。条件はしっかり確認しておきましょう 。

その賃貸物件契約がお得かどうか確かめる方法

結局のところ、仲介手数料なしがお得なのかどうかは、さまざまな条件によって変わります。例えば仲介手数料ありでも、敷金礼金なしで初期費用を大幅に節約できることもあります。最終的にその賃貸物件契約がお得かどうかチェックするなら、初期費用だけで計算しないことが大事です。なるべく2年間通しての総額を計算してみましょう。トータルの額がわかれば、「意外とこちらの方がお得かも」ということも見えてきます 。

まとめ

賃貸物件契約の際の仲介手数料は、物件によって有無・金額が変わってきます。確かに仲介手数料はない方がお得なイメージはありますが、家賃や敷金礼金など、トータルでかかる金額を計算すれば、意外と仲介手数料無料でも高くつくことはあるものです。それぞれのメリット・デメリットを考えたうえで総額を計算し、慎重に物件選びをしていきましょう。