家賃の更新料に消費税はかかる?更新料の意味や支払い方法を説明

家賃の更新料に消費税はかかる?

賃貸を借りていると定期的に発生する更新料は家賃の約1か月分もの金額になってしまうので、家計の負担になると悩んでいる方も多いのではないでしょうか。さらに、2019年10月には消費税が増税されたことから、家賃の更新料に消費税がかかるのか不安に思っている方もいるかと思います。そこで今回は、家賃の更新料と消費税の関係や更新料の概要について解説します。

家賃の更新料とは

家賃の更新料とは、賃貸契約を更新する度に大家さんに対して支払う料金のことです。賃貸の契約期間を満了した後に同じ物件に住み続ける場合は、家賃とは別に更新料を支払わなければなりません。金額設定は物件によってさまざまですが、一般的に家賃1か月程度が相場となっています。人気エリアの物件では家賃2~3か月分というケースがありますが、一方で更新料が発生しない物件も存在します。また、更新料の有無は地域性があり、大阪や兵庫では更新料がない物件が多く見られます。

家賃の更新料と消費税

家賃の更新料に消費税がかかるか否かは、その物件をどんな目的で借りるかによって変わります。そもそも物件は「居住用」と「事業用」という二つの用途に分けられます。居住用は生活をするために住むパターンで、事業用は物件を事務所や店舗として利用するパターンです。では、居住用で借りた場合と事業用で借りた場合、更新料の消費税の扱いはどのようになるのでしょうか。

居住用なら非課税

居住用として物件を借りた場合、更新料は非課税となるため消費税はかかりません。契約書に記載された更新料の金額を非課税で支払うことになります。そのほかにも、居住用の場合は家賃、敷金、礼金、共益・管理費、保証会社の保証料が非課税となります。消費税が増税されても、そのタイミングから家賃が値上がりするということはありませんのでご安心ください。なお、仲介手数料や鍵交換などの初期費用などは課税対象となります。

事業用なら課税対象

事務所や店舗などの事業用として物件を借りた場合、更新料は課税対象となるので消費税を支払う必要があります。また、事業用の場合は家賃や敷金・礼金、共益・管理費なども課税対象となるので注意が必要です。
なぜ事業用の物件だけは消費税を支払わなければならないのかと思われるかもしれませんが、実は居住用の扱いが特別なだけなのです。日本で初めて消費税が導入された平成元年には、居住用の家賃や更新料なども課税対象でした。しかし、居住が困難になることによる社会問題化が懸念され、平成3年より居住用の物件に関しては非課税となりました。

更新手数料はどちらの場合も課税対象

家賃の更新料は居住用の場合が非課税、事業用の場合が課税対象となりますが、更新手数料はどちらも課税対象となります。更新手数料とは、更新手続きのために発生した事務処理に対する手数料のことで、基本的には管理を仲介する不動産事業者に支払うことになります。更新料自体は家賃のような性質を持ち、居住の可否に関わるものなので、課税すると社会問題になる可能性があります。しかし、更新手数料は事務処理というサービスに対する料金なので、課税しても問題ないと考えられています。同じ考えで、仲介手数料など更新料以外で発生する各種手数料は、居住用の場合も課税対象となります。
更新料の事務手数料の有無は、基本的に賃貸を借りる際に交わす契約書に記載されています。また、物件の広告に「更新料1.25か月分」と記載されている場合、「0.25か月分」が事務手数料の内訳となっている場合があります。このように、事務手数料が発生することを契約で同意している場合は事務手数料の支払いを拒否することができません。契約時には事務手数料が不当な金額になっていないかなどをしっかりと確認し、疑問点があれば不動産事業者に質問してもよいでしょう。

家賃の更新料はなぜ必要か

家計の負担にもなる家賃の更新料ですが、そもそもどのような背景で生まれたものなのでしょうか。一説としては、戦後の混乱期に物価統制がされ、家賃を値上げできなくなった大家さんが一時収入を確保するために生まれた、というものがあります。当時は空襲によって家が不足しており、需給関係的に入居者側の立場が弱かったという事情もあったのでしょう。
現代では、家賃の更新料を問題視する傾向が強まりつつあります。しかし、更新料は消費者契約法により無効になるのではという論点で争われた裁判では、2011年7月の最高裁判決にて「更新料が高すぎなければ有効」という判断が下されました。入居者を集めるために更新料を撤廃する大家さんも増えていますが、契約書に更新料を支払う旨が記載されている場合は、必ず支払わなければならないということを理解しておきましょう。

更新料を払わなかったらどうなる?

もし、家賃の更新料がある旨を契約書上で合意しているにもかかわらず更新料を支払わなければ、契約解除となり強制退去させられる可能性があります。前述した通り、2011年7月の最高裁判決では「更新料が高すぎなければ有効」という判決が下されたため、不当に高額な場合以外は支払う義務があるのです。何をもって「高すぎる」と判断するかは難しいところですが、契約期間1年ごとに家賃2か月分の更新料は有効であると裁判で認められているため、これを一つの目安にするといいかもしれません。

家賃の更新料が発生しないケース

家賃の更新料はあくまで大家さんの任意で設定されます。そのため、更新料の有無には地域差があり、更新料の慣習がない地域も多く存在します。例えば、関東や京都では更新料を徴収するケースが多いですが、大阪や兵庫などでは更新料があまり一般的ではありません。
少々古いデータにはなりますが、2007年に国土交通省が発表した「民間賃貸住宅に係る実態調査」に各都道府県の更新料の徴収率が掲載されています。そのデータの一部を以下に紹介しましょう。


更新料の徴収率
北海道…28.5%
東京…65.0%
神奈川…90.1%
埼玉…61.6%
千葉…82.9%
愛知…40.6%
京都…55.1%
大阪…0%
兵庫…0%
福岡…23.3%

以上のように、関東や京都では過半数が更新料を徴収しているという結果になりました。更新料には大きな地域差があるということは、非常に興味深いものです。

家賃の更新料の支払い方法

家賃の更新料の支払い方法は、銀行振込するケースや家賃とともに口座引き落としされるケース、不動産事業者もしくは大家さんに直接現金で支払うケースなど、いくつかのパターンがあります。金額や支払い方法は、更新時期の1~3か月前に郵便にて通知が送られてきます。内容を確認し、指定された支払い方法で規定の金額を支払いましょう。支払い方法が分からず不安という方は、不動産事業者に質問したり契約書を確認したりしましょう。
なお、賃貸契約を更新せず退去したいという場合は、退去の1か月前には必ず不動産事業者などに連絡するようにしましょう。退去の意思を伝えていなければ自動更新となり、更新料を支払うことになる可能性があります。

家賃の更新料の支払先

家賃の更新料の支払先は、不動産事業者や大家さん、管理会社など物件の契約内容によって異なります。支払先に関しても、更新時期の1~3か月前に送付される通知に記載されているので確認しましょう。
ちなみに、家賃の更新料は最終的に大家さんが受け取ることになります。不動産事業者や管理会社を介して支払う場合は、これらの企業が更新手数料を受け取ります。

家賃の更新料を払うタイミング

家賃の更新料を支払う際は、通知に記載されている支払い期限までに対応しましょう。しかし、更新料の支払期限に関しては法的な縛りや明確なルールがありません。支払いが間に合わない場合や、遅れそうになってしまった場合は、速やかに不動産事業者や大家さんに連絡してください。支払う意思があること、いつ頃なら払えるかを伝え、一括での支払いが厳しい場合は分割支払いの相談をしてみるとよいでしょう。

家賃の更新料の相場

家賃の更新料の相場は地域差がありますが、家賃の半月分~2か月分が一般的となっています。先に紹介した「民間賃貸住宅に係る実態調査」によると、東京や千葉では家賃1か月分、埼玉や愛知、福岡などでは半月分、京都では1.4か月分が平均となっています。
なお、更新料を支払う月は通常の家賃の支払いを発生するため、いつもより多くお金を支払う必要があります。契約更新がある月にお金がないと焦らないようにするためにも、計画を立ててお金を準備しておくようにしましょう。

まとめ

今回ご紹介したように、契約更新で支払う家賃の更新料は、居住用の場合は非課税となっているので消費税を支払う必要がありません。消費税増税で大きな負担になるのではと不安に思っている方はご安心ください。また、契約更新時は住まいのことを考え直すいい機会にもなります。新しい環境で生活したいと思っている方は、このタイミングで引っ越しを検討してみてもいいかもしれませんね。